ST-90-05というアシダ音響のヘッドホンをレビューしたい。購入から1年、無くてはならないヘッドホンとなっている。
「ST-90-05-H/K(灰色/黒色)」は、創業80年のアシダ音響が、1973年より放送局等で使用された業務用「ST-90」をリスニング用にチューニングしたヘッドホンだ。
2020年ぐらいから、徐々に人気に火がつき、一時期は入手困難になっていたほど。現在はタイミングにより購入できる状態となっている。
この記事では、ST-90-05を気になっている人のために、1年間使用して分かったポイントを、上位機種のST-90-07とも比較も交えながらレビューしていきましょう。
ASHIDAX ST-90-05|アシダ音響(ASHIDADAX)ヘッドホン レビュー
03 headphone #002
こんにちは。毎日の暮らしを楽しくする「ライフガジェット」を紹介しているLifeDIYのセガシンです。
ヘッドホン、イヤホン、iPad、キーボードなどを中心にレビューしています‼︎
業務感のあるデザインが気になり購入したアシダ音響の有線のオンイヤー型のヘッドホン。今回はヘッドホンを20本以上所有するマニアによる「 ST-90-05」のレビューです。
アシダ音響について
ST-90-05について
ST-90-05のデザイン
ST-90-05の音質
ST-90-05の使い勝手
ST-90-07との比較
自分が検討している時に知りたかったなぁという内容を網羅していきますよー。
まずは、アシダ音響についてです!
アシダ音響(ASHIDAVOX)とは
創業80年のプロユースのオーディオ機器メーカー。耐久性や失敗の許されない放送局や警察などで使用される音響機器を中心に製造する日本の音響メーカー。
ビルドクオリティが非常に高く、耐久性があるため、ロングライフな製品群が特徴です。
「せっかく買ったなら、長く使いたい」という人には、かなり推せるメーカー。
やはり、アシダ音響の本当に凄いところは、日本で作り続けていること、同じモデルを数十年と作り続けていることの2点。
特に、部品調達や金型の問題から、通常同じものを作り続けるというのは、工芸品ではなくガジェットではかなり難しいこと。たえまぬ努力とプライドにより製造を続けている点に個人的には応援したいメーカーです。
だからこそ、ST-90-05は数十年前から変わらぬデザインとして生き続け、レトロ&業務感満載の妙に惹かれるガジェットに仕上がっているのがいいんですよね。
では、早速、ST-90-05の総評をお伝えした上で、詳細なレビューをしていきますね。
アシダ音響(ASHIDAVOX) ST-90-05 の総評
総合評価9.0/ 10
ASHIDAX ST-90-05 ¥6,600-
◯低音強め、確かな音質
◯レトロ感のあるデザイン
◯軽いのに頑丈!
◯6,600円はめっちゃ安い
×モニター用としては不向き
×遮音性は低い
高音
中音
低音
装着感
使い勝手
コスパ度
使い勝手と音質に対して、価格がバグっとる
スペック|ASHIDAX ST-90-05
形式 | ダイナミック形 | 再生周波数帯域 | 5-40,000Hz |
ドライバ | Φ40mm | コード長 | 約1,500mm |
インピーダンス | 40Ω (at 1kHz/1mW) | プラグ | Φ3.5mm 金メッキプラグ L型 |
音圧感度 | 104dB/mW | 重量 | 約110g(コード含まず) |
最大入力 | 1,000mW(IEC) | 付属品 | 取扱説明書 |
ASHIDAX ST-90-05 レビュー | 10つのポイント
ヘッドホンとしてST-90-05 の特徴を10のポイントに分けてレビュー。有線無線含め20以上のヘッドホンを所有するマニア目線による1年使用の本音レビューです。
POINT1.ロングライフデザインによるレトロ感が新しい
デザインのトレンド周期はおよそ20年などと言われますが、20年以上ずっと同じものをつくっていると1周して新しく見えてくる。まさに、ST-90-05はそんなデザインだ。
レトロ感、業務感が新しさを感じるたまらんデザイン。往年デザインのグレー、シンプルなブラックと2つのタイプを準備。今回紹介するST-90-05はブラックを購入、追加で購入するST-90-07は、グレーを選んだ。(ST-90-05 グレーも上写真と同カラー)
ST-90-05は、レトロ感あるデザインや価格以上の音質が評判ですが、1年間毎日のように使ったからこそわかる見た目だけじゃない、次から紹介する「使ってわかるデザイン、10のポイント」があります。こちらをPOINT2~4で紹介していきましょう。
POINT2.ミニマムなパーツ構成 × 頑丈という他にない使い勝手
見た目でもわかる通り、ひとつひとつのパーツが最小限かつ、剛性の高いパーツが採用されている。特にヘッドバンド部分は、ST-90-05が他のヘッドホン デザインと一線を画すポイントだ。
一般的に、ヘッドバンド部分はプラスチック使用の素材が多く、オンイヤー型のヘッドホンの場合は、プラパーツが華奢な場合も普通に多い。
ST-90-05のヘッドバンドは、剛性の高いメタルパーツをゴムのような素材で覆うデザイン。この点は、雑に使っても折れる心配をしなくていい、気軽さを与えてくれる。
POINT3.太くて雑に扱っても断線しなそうなケーブル
この素材、マジでいいな。他のヘッドホンもコレつかってくれないかな。と思うほどに、小さな溝の入ったST-90-05のケーブルが好きだ!
使いやすいしなやかさがありつつ、断線リスクを感じさせない丈夫さ。ケーブルの素材の違いが、こんなにも使用体験、使用満足度に影響するのか。と新しい気づきを与えてくれた。
音質がST-90-05よりいいヘッドホンは多数持っているが、つい手に取り、ヘビーユースしてしまうのは、このケーブルの素材の違いも大きいと思う。
このケーブルの快適体験が良いんすよ。マジで
ちなみに上位機種のST-90-07(上写真グレー)は、リケーブルによる高音質化の影響で、見たことあるケーブルなのは少し残念。同時に検討している人はこの点も違いのひとつとして覚えておきたい。
POINT4.ミニマムがゆえの超軽量な144.2g(実測値)
仕事中は、ヘッドホンをしながら何かしらの音楽や音を鳴らして作業することが多い。周りの音が気にならなくなるし、集中できるからだ。
音楽鑑賞というわけではなく、作業用のバックミュージックとしてヘッドホンで聴いている場合には、ここ1年ST-90-05の出番は多い。理由は簡単で、いい音質 × 肩首が楽 の両方が満たされている数少ないヘッドホンだからだ。
側圧も僕の場合には強く感じず、長時間着けていても気にならない。なんといっても144.2gという軽量さなので、首肩への負担が少なくていいのだ。
この使用頻度の高さから、上位モデルのST-90-07も購入したほど気に入っている。
長時間ヘッドホン着けることが多い、肩首のこりがひどいという人には、一度体験してもらいたい。
つけっぱなし運用がとにかく楽!オンラインミーティングにもオススメです
POINT5.音質|低音で支え、中・高音を聴かせる心地よいリスニング体験
総合音質:低域を基調に、中高域が心地よい「楽しい音楽体験」
音質は「楽しい」の一言。重心は低音域側にありつつも、中音域、高音域も鳴ってる印象。高音域はやや籠もり感はあるが気にならない程度。
クールというより、ウォーム寄り、解像度は高すぎず聴きやすい、音場はやや狭めです。
その他の評価は以下の通りです。
高音域:低音高音域はやや籠もり感はあるが気にならない程度
中音域:艶感があり、ボーカルがしっかりと耳に届く
低音域:重低音という音ではなく、やや低音寄りベース、バスドラが心地よい
音場:やや狭めといった印象
解像度:高すぎず、普段使いによい
遮音性:音量が大きいと音漏れはあり
特定の音域の楽器の鳴りを味わいたい。という人にはオススメできませんが、歌モノを聴く人にとっては、オススメできる音質。YOUTUBEなどの動画鑑賞にも、解像度が高すぎないため使いやすい。
特に、スマホに接続して聴きたいという人には、音が鳴らしやすいので、かなりオススメ
POINT6.小さい、軽い、バックに入れやすい
外出時には、イヤホンも持って行きますが、ヘッドホンも入れておきたい派。でも、がっつり大きいヘッドホンはとても持って行く気すらおきない・・・。
が、、
この小さい軽いST-70-05は、持ち歩き用としても活躍している。外出時には、同じくオンイヤー型のKOSSのPortaPro(ポルタプロ|下写真の左)か ST-70-05のどちらかを持っていくことが多い。
外出用にヘッドホンを探しているという人にもオススメしたい。
POINT 7.有線オンイヤーだからこそ、外出用にオススメ
ワイヤレスイヤホンやヘッドホンを電車で使う人なら、接続が不安定になって、音切れなどの現象が起きたことはないだろうか。
ペアリングできてると思ったら、接続されてなくてスマホから音楽流れ出して恥ずかし・・・。という経験はないだろうか。
僕はある。
コレ、頻繁に起るわけじゃないが、ストレスなんすよ。この点、有線のST-70-05の場合は大丈夫!有線のうっとうしさはあるものの、音切れ、ペアリングミスの心配が無用。
オンイヤー型で、遮音性が高すぎないのもよい。薄ーく車内アナウンスが聞こえてくる点も気に入っている。
でも有線はケーブルがねーという人には、ワイヤレスの小型DACを使うというのもあり。スマホに直挿ししないので、有線ですが取り回しがよくなりますよ。
最近、有線推し。充電要らず、バック入れっぱなし運用もいい。ワイヤレスDAC使いもオススメ
POINT8.気がつけば手に取ってしまう業務用品質
ヘッドホンだけでも、20台以上持っていますが「音質がいい = 使用頻度が高い」かといえば、そんなこともないんすよ。
高音質=高級品は繊細なものも多く、「雑には扱えないストレス」がある。
その点、放送業界や警察といった業務用として大事な「壊れない、いつでも使える安定性」を重視してきたアシダ音響だからこその、剛性感と丈夫さは「雑に扱ってもOK!」という価値を僕にもたらしてくれている。
落としても気にしないし、ポイッと雑にバックに入れてもOKだし、ケースに入れなくても大丈夫なのがいい。
気軽さって、音質以上の価値だなぁっと
POINT9.メイド イン ジャパンで¥6,600-というコスパ感
日々、ガジェットが届く生活をしていますが、どこで作っているかといえば、ほぼ中国、メイドインチャイナなわけです。
中華メーカーだけではなく、日本メーカーも欧州も、アメリカのメーカーもすべて。
でも、¥6,600ーの ST-70-05 はメイドインジャパン、日本製。ただそれだけで、少しうれしくなるのは僕だけではないはず。
今後、終わらない円安、終わらない輸送費高騰から考えると、国内回帰も増えるんじゃないかとは思っていますが、「今も昔もずっと日本で作ってました!」なメーカーって応援したくなるよね。
この¥6,600-を高いと思うか、安いと思うかは人によると思うけれど、音質や剛性、耐久性を考えるとかなりのハイコスパなヘッドホンと言えるのではないだろうか。
POINT10.ST-90-05とST-90-07との比較
デザインは共通で、外観の違いは製品名記載の小さなプリントぐらい。¥3,000-ほど高価なST-90-07の違いはケーブルが高品質になっていること。これにより、音質の傾向がST-90-05とは異なっています。
「 ST-90-05 」と「 ST-90-07 」音質の違い
今回紹介している「 ST-90-05 」は、低音寄りのリスニング用。「 ST-90-07 」はモニターライクで解像度が一段高く、音の艶感が増した印象だ。
どちらが良いかというのは正直「人によるよね」というものですが、僕なりにどっちがオススメかを考えてみました。
・スマホで気軽に普段使いしたい人
・打ち込み系や歌モノをメインに聞く人
・ストリーミング音源で音楽を聴くのがメインな人
・YUTUBE、ティーバなどの動画視聴が多い人
・コスパ体験を大事にしたい人
価格と満足度を考えると、1本は持っておいて損はないだろう。エイジングも含めて、少し慣れるまで使ってみると、音質はもちろん、それ以上の快適さにメインヘッドホンになるはずだ。
・多少の金額UPは音質のためなら惜しくない人
・解像度や定位感が音楽鑑賞の場合には大事な人
・様々なジャンルの音楽を聴く人
・モニターヘッドホンとしても使いたい人
・ある程度、ヘッドホン沼に入っている人
ST-90-05は普通に音質は良いですが、耳が肥えてる、普段高音質なヘッドホンを使っている人には、ST-90-07の方がオススメ。リスニング用途だけではなく、モニター用にもヘッドホンを探している人にも、ST-90-07の方をオススメしたい。
個人的には、ST-90-05のケーブルがしなやかで丈夫な無骨さが、ST-90-07は高品質なケーブルを採用したことで、変わってしまう点が残念だと思っている。
ASHIDAX ST-90-05レビュー まとめ
今回はASHIDAX ST-90-05|アシダ音響のオンイヤー型ヘッドホンをレビューしてきました。音楽や動画を日常的に楽しむ時間が多い人なら、買って間違い無しの高コスパモデルになっている。
総合評価9.0/ 10
ASHIDAX ST-90-05 ¥6,600-
◯低音強め、確かな音質
◯レトロ感のあるデザイン
◯軽いのに頑丈!
◯6,600円はめっちゃ安い
×モニター用としては不向き
×遮音性は低い
高音
中音
低音
装着感
使い勝手
コスパ度
価格を考えた時の音質はもちろんのこと、使用感の良さ、使っていて楽で楽しい点を特にメリットと感じるヘッドホンに仕上がっている。
普段はワイヤレスヘッドホンで、有線を持っていない。普段はオーバーイヤー型ヘッドホンで、オンイヤー型ヘッドホンは持っていない。という人には、有線オンイヤー型ヘッドホンのはじめの1本にふさわしい製品と言える。
購入後も長く使えるビルドクオリティな点も評価したい。
コスパで使い勝手よくて、長持ちするっていいよね。気になる人は使って味わってほしい体験が待ってますよ!
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