final UX3000をレビューしたい。 final 初のハイブリッドANC搭載ワイヤレスヘッドホンは買いなのか?自腹購入し、半年使った長期レビューを13の視点でレビューしていきます。
「 UX3000 」は、finalが手掛けるブランドagの「WHP01K」を、finalのエンジニアによってサウンドを新しく作り上げられた「WHP01K」の海外モデルという位置付け。
当初は海外展開がメイン、国内ではfinal公式ストアのみでの取り扱いだった。しかし、2023年6月には、海外評価が高く「国内でも販売して欲しい」の声に応え一般販売が開始された。
実際どうなの?ということで、購入しがっつり半年間使用してわかったことをレビューしていきたい。
final UX3000 レビュー|final ハイブリッドANC搭載ワイヤレスヘッドホン
03 headphone #001
こんにちは。毎日の暮らしを楽しくする「ライフガジェット」を紹介しているLifeDIYのセガシンです。
ヘッドホン、イヤホン、iPad、キーボードなどを中心にレビューしています‼︎
今回はfinal UX3000のレビュー。パーソナルオーディオ好きなら、一度は通るブランドfinal (ファイナル) からブランド名がついた初のハイブリッドANC搭載ワイヤレスヘッドホン「 UX3000 」です。
自腹で購入半年使ったからこその、詳細レビューとなっておりますよー。
さくっと!総評からどうぞー
final UX3000 の総評
総合評価9.0/ 10
final UX3000 ¥15,800-
◯高い解像度
◯ノイキャンON時に最適化した音質
◯音場が広く心地よい
◯シボ加工でプラ感の薄い筐体
×最新コーデックには非対応
×付属のケースに入れづらい
高音
中音
低音
装着感
使い勝手
コスパ度
バランスの良さがいいんすよ。
ースペック|final UX3000
Bluetooth | 5.0 | 再生時間 | ノイズキャンセルON時:25時間 ノイズキャンセルOFF時:35時間 |
コーデック | AAC,SBC,aptX,aptX-LL | 充電時間 | 2.5時間 |
再生周波数帯域 | 20Hz〜20KHz | 充電端子 | USB-TypeC |
アプリ | なし | 重量 | 262g |
ノイズキャンセリング | あり(ハイブリッドノイズキャンセリング) | 防水・防塵規格 | ー |
外音取り込み | 無し | ゲームモード | ー |
自動装着検出機能 | 無し | 保証 | 2年 |
マルチポイント | あり(2台) | 価格 | ¥15,800- |
final UX3000 レビュー | 3つのポイント
final UX3000を「デザイン」「音質」「使い勝手」の3つのポイント、13の視点で詳しくレビューしていきますよ!
デザインについて|final UX3000
①箱と内容物|高級感はないが、好感は持てる
箱はファイナルらしい、主張しすぎず伝えてくる感じ。決して高級感を感じるものではないが、好感が持てる。
内容物は以下の5点
左上から
・ヘッドホン本体
・収納ポーチ
・充電ケーブル
・3.5mm有線接続ケーブル
・説明書
② 有線使用もOK|ケーブル付属で有線接続&ノイキャンも可能
より高音質で楽しみたい人には、有線接続でも楽しめる。有線で更に高音質に楽しむことも可能だ。
更に、ヘッドホンアンプを経由すれば、それはもう極上の音。じっくり音楽に浸りたい時には、有線接続でハイレゾのロスレス音源を楽しむのもおすすめしたい。
③重量|262gと軽量で首への負担が少ない
本体は262gと、ワイヤレスヘッドホンの中では軽めの部類。2〜3時間つけていても首には負担がかかりにくい部類に入る。4〜5時間つけていると気になる程度だ。
④ヘッドホン本体|高級感を感じるシボ加工
ヘッドホン本体は、シボ加工が印象的。プラスチッキーな樹脂感を感じさせず、高級感も少し感じられる。個人的には好みの質感。皮脂、指紋も気にならず使い勝手も良い。
このシボ加工finalの人気ワイヤレスイヤホン「 ZE3000 」にも使われているもので、質感が本当によい。一度見てもらいたい!
アジャスター部もシルバーが見える(上写真)のもブラックとの相性もよく気に入っている。
音質レビュー|final UX3000
音質の特徴:総合9.0 |高音8.5|中音8.5|低音9.0
〇ノイキャン時の方が高いと感じる音質
〇広めの音場に解像度も高め
〇ボーカルラインが心地よい
〇調和を感じつつ迫力を感じられる低音
×高音のキラキラ感はやや弱い
×ノイキャンOFF時はON時と音の傾向が異なる
総合音質 9.0|広い音場と高い解像度、バランス感のある迫力
・高音8.5 / 10|解像度高く響きが心地よい
・中音8.5 / 10|艶感あるボーカルが心地よい
・低音9.0 / 10|全体と調和した迫力を感じる低音
①音質評価:総合9.0 |高音8.5|中音8.5|低音9.0
final UX3000 の音質は、「心地よいバランス感が秀逸」につきる。狭すぎず、広すぎない音場。高すぎないけど、しっかり高い解像度。定位感もほどよくある。
ノイキャンOFF時の方がフラット目で、ノイキャンONにすると、低音寄りの傾向となっている。個人的にはノイキャンON時の音質が好きなので、常時ノイキャンを入れた状態で使っている。
高音域|8.5 / 10
艶やかで、キラキラ感がある音ではなく、全体の中でしっかり高音域を担っている。高音域好きな人には物足りないかもしれないが、心地よくリスニングしたい人であれば満足できる高音域ではないだろうか。
中音域|8.5 / 10
ヘッドホンによっては奥に引っ込んだ印象を受ける場合が多い、中音域だがfinal UX3000は、聴きやすくクリアで透明感のあるボーカルを楽しめる中音域になっている。
低音域|9.0 / 10
ノイキャンON時に増す低音域。キレのある沈み込み、迫力がしっかりとした低音域が心地よい。個人的には好きな低音の雰囲気だ。
ー音質まとめ
UX3000はノイキャンのON/OFFで音質の傾向が異なります。ONにした方が全体的に厚みと迫力が増すような感じ。特に低音は厚み量感ともに増すことで、全体の迫力がUPする。
この音質まとめについては、ノイキャンON時の音について書いていきますね。
全体の音質は、高音域、中音域、低音域がしっかりと鳴って調和する迫力溢れるサウンド。解像度が高く、音場が広いため聴いていて音にしっかりと包まれ心地よい。
ウォーム感を感じつつも、クールかつモニターっぽさがあり全体としての艶感もしっかりと感じられるリスニング用の音づくり。
高音と中音のバランスがよく、ボーカルも近すぎず全体の中で調和している印象。低音に迫力があり「聴き心地が良い」という印象。
正直¥15,800ーという価格から考えると、値段以上の高音質と言えるのではないだろうか。
音楽はもちろん、音場がほどよく広く分離感もあるので、動画や映画を楽しむ時にも重宝するサウンドになっている。
②ノイズキャンセリングの評価
ノイズキャンセリングON +音楽再生では、ほとんど周りの音は聞こえない程度の強さ。
ノイキャンの強いBOSEやSONYといったヘッドホンと比べると弱いけれど、必要十分といった印象だ。
音楽再生無しの状態では、ある程度の低音、高音についてはノイズをカットしてくれるが、話声などの中音域については弱い印象だ。
最新のノイキャン強めのヘッドホンやイヤホンと比べると、弱いが日常使いにはちょうどいい程度の力をもっている。
ノイズキャンセリング単独使用も可能
音楽は聴かないけど、適度に遮音したい。そんな時にも、ノイズキャンセリングの単独使用が可能。
ヘッドホンの電源を落としても、ノイズキャンセリングONの状態で使えるため、軽い耳栓代わりにもなる。
③対応コーデック|CD音質相当のaptXに対応
UX3000の対応コーデックは、AAC , SBC , aptX , aptX-LLという4種類。iPhoneで使う予定の人は、元々AptX AdaptiveやLDACは非対応なので、関係ない。
コーデックとはBluetoothで音声を無線伝送する時の「音声圧縮変換方式」のこと。コーデックの種類により伝送できるデータの圧縮率や方法が異なるため、コーデックにより音質に違いが生まれます。
主要コーデック一覧
コーデック | 特徴 | 補足 |
SBC | 標準的な音質・遅延あり | ワイヤレスイヤホンのほとんどが対応している |
AAC | SBCより高音質 遅延が少ない | iPhoneで主に対応するコーデック |
aptX | CD音源相当の高音質 SBC AAC遅延が少ない | Androidで主に対応しているコーデック |
aptX Adaptive | 高音質96kHz/24bit( 過去は48kHz/24bit) 低遅延の現行最上位のコーデック | Androidスマホの主にハイスペック機で対応 |
LDAC | 高音質(96kHz/24bit)・音質優先・標準・接続優先の3つのモードから選択 | ソニーが規格化したコーデック |
④マイク性能|十分使える品質
ビックリするぐらい良い!というわけではないが、通話やWEB会議などで十分使える音質となっている。
音質、ノイキャン、マイク。とにかく不満がない。すごい!は無いけど、ちょうどいいんすよ。
使い勝手について|final UX3000
① 連続使用時間|再生時間 最大35時間(NCオフ) 25時間(NCオン)
UX3000の連続使用時間(再生時間)は、一般的なワイヤレスヘッドホンの中では標準的な長さ。再生時間は、ノイズキャンセリングOFF時で最大35時間、ON時で最大25時間となっている。
1日数時間使う程度なら、週1回の充電でOKだろう。充電時間は2.5時間と、早くはないが、長くもないといった程度。
もちろん充電端子は USB Type-C なので使いやすい。
② 通信品質|Bluetooth 5.0でも快適
final UX3000は最新のBluetooth5.3から比べると少し古い5.0ですが、通信品質は良好。スマホからかなり離れても、ドアなどを閉めなければ接続が途切れることはない。
電車やカフェなどの人が多い場所でも、途切れることがなく、接続は安定している。
③装着感|側圧はしっかり目だが、気にならない程度
イヤーカップが大きめではないので、耳を包み込むという感じまではないものの、イヤーカップが90°回転するので、耳に沿ってフィットする。
ホールド感、側圧はしっかり目ではあるものの、低反発イヤーパッド採用のおかげか、長時間使用でも耳が痛くなったり、頭が痛くなったりというは少ない。
UX3000の装着感は全体としては良好と言えるのではないだろうか。
1.2時間使うぐらいなら快適。4.5時間つけっぱなしにすると気になってくる感じ。
街中などで、装着して歩いていたとしても、シンプルかつイヤーカップが目立ちすぎず、気に入っている。
前から見ても、イヤーカップが飛び出し過ぎずちょうど良い。
シンプル&ミニマムデザインで装着時でもスッと馴染むのよ
④持ち運び|比較的小型で持ち出しやすい
UX3000はイヤーカップを折り込めるため、比較的に小型。そのため日常的にバックに入れて持ち歩くことが可能ヘッドホンだ。
もちろん付属品のポーチを使って持ち運んでもいい。ポーチ自体は、ベロア調の巾着になっており、目立たなくfinalのロゴが入っていてデザインは良好だ。
しかしこちらの付属のポーチ。口が小さく入れにくいのが難点。そのため、僕はポーチを使わず、裸でバッグに入れて使っている。
final ロゴ入り巾着は、所有欲を満たしてはくれるアイテムなので、大事に取ってある。
デザインは好き。ケースとしては使えないけどね。
⑤操作性|物理ボタン&シンプル操作で分かりやすい
操作はタッチ式ではなく、誤操作が少ない物理ボタン。左右のイヤーカップの下部の押しやすい位置に配置されている。
物理ボタン配置
●右のイヤーカップ(上から)
・電源ボタン
・音量(+)ボタン
・音量(−)ボタン
・(有線接続用3.5mmジャック)
●左のイヤーカップ(上から)
・ANCボタン(アクティブノイズキャンセリング ON / OFF)
・(充電用のUSB-C)
操作方法
UX3000の操作はシンプルで分かりやすいのが特徴。有線接続時にはボタン操作が無効になる。
操作方法を詳しく知りたい方は下をタップしてご覧ください。
音楽の操作方法
操作内容 | 操作方法 |
---|---|
再生 | 電源ボタンを1回押す |
一時停止 | 電源ボタンを1回押す |
次の曲へ | 音量(+)ボタンを約2秒間押す |
前の曲へ | 音量(-)ボタンを約2秒間押す |
通話の操作方法
操作内容 | 操作方法 |
---|---|
着信受話 | 電源ボタンを1回押す |
通話終了 | 電源ボタンを1回押す |
着信拒否 | 電源ボタンを約1秒押す |
音楽/着信共通
操作内容 | 操作方法 |
---|---|
音量を上げる | 音量(+)ボタンを押す |
音量を下げる | 音量(—)ボタンを押す |
Siri / Google アシスタント
操作内容 | 操作方法 |
---|---|
Siri / Google アシスタントを起動する | 電源ボタンを2回押す |
半年使ってみた感想|UX3000
UX3000を購入して半年。がっっつりと使ってきた感想を伝えたい。
メインヘッドホンとして1番使用頻度が高かった
レビューしているもの。していないものを含め、ヘッドホンだけで10本以上所有している。もっと音の良いヘッドホンも所有しているし、もっと軽くて気軽なヘッドホンも持っている。その中でも、使用頻度はUX3000が1位だった。
理由は「そつなくバランスよく、気軽に使いやすいデザインと重さ」。
有線ではなく、ワイヤレスの気軽感。シンプルな外観、折りたたみ可能で外出時にも持って行きやすい。適度なノイキャンは外出時にカフェなどで仕事する時にも集中できる環境をつくりやすい。
そして「ちょうどよい高音質」という点も日常使いに適していた。
あまり高解像度だったり、音質が良すぎると、仕事しながらの「ながら聴き」が「音楽鑑賞」に変わってしまう場合があり、生産性低下の恐れがある。
UX3000は、高音質でありながらも「ながら聴き」にもちょうどよかった。気づけばこの半年間で一番使ったヘッドホンになっていた。
UX3000がおすすめの人 / 買わない方がいい人
まとめに入る前に、ここでおすすめの人、買わない方がいい人という点でまとめておきたい。
・予算1万円台でワイヤレスヘッドホンを探している人
・3万円以上のヘッドホンを購入したことのない人
・いい音が聴きたいけど、2万円以上は考えていない人
・音質、ノイキャン、マイク品質、全てを満たすヘッドホンを探している人
・finalのイヤホンが好きな人
上の5つのうち、2つ以上当てはまるなら「買って間違いない」だろう。
・予算1万円以下でワイヤレスヘッドホンを探している人
・3万円以上で購入したヘッドホンを今メインヘッドホンにしている人
・とにかく求めるものは「音質」という人
・音質より強いノイキャン、高音質のマイクが優先な人
・finalの音質があまり得意ではない人
上の5つのうち、2つ以上当てはまるなら「買わない方がいい」と思う。
音質で有名なヘッドホンを日常的に使っている人には、高音質ではあるものの「やや物足りない」となる可能性がある。そのため、音質だけではなく、ノイキャンやマイク、デザインや携帯性など総合点重視の方には是非ともオススメしたい。
僕個人は音質特化のワイヤレスヘッドホンや、音質で有名な有線ヘッドホンもいくつか持っているけれども、日常使いとしてはUX3000を超える「日常使いのちょうど良さ」のヘッドホンはない。
3年以上メインで使用してきた「Bose Quiet Comfort 35」の代替ヘッドホンとして使用している。
Bose QuietComfort 35 ワイヤレスヘッドホン レビュー|音、付け心地、マイク性能、バランスの傑作final UX3000 レビュー まとめ
今回はfinalブランド 初のワイヤレス ヘッドホン「 UX3000 」をレビューしてきた。15800円という価格を考えると、デザイン、音質、使い勝手、全ての点で「価格以上の満足」を僕に日々与えてくれている。
円安、インフレによって、ヘッドホンもどんどん値上がりしている現在。価格と満足度を考えると、様々なヘッドホンの中でも上位に入る傑作に仕上がっていると言えるだろう。
総合評価9.0/ 10
final UX3000 ¥15,800-
◯高い解像度
◯ノイキャンON時に最適化した音質
◯音場が広く心地よい
◯シボ加工でプラ感の薄い筐体
×最新コーデックには非対応
×付属のケースに入れづらい
高音
中音
低音
装着感
使い勝手
コスパ度
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